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2007年12月13日(木) 20時18分

<シリア>筑波大調査団が約8500年前の墓地発見毎日新聞

 シリア北西部の新石器時代の集落遺跡「テル・エル・ケルク遺跡」の発掘調査をしている筑波大調査団(団長・常木晃同大大学院教授)は13日、約8500年前の墓地を発見したと発表した。個別の墓が集積する本格的な墓地としては世界最古級という。当時としては極めて珍しい火葬人骨も見つかっており、調査団は骨のDNAを分析し、婚姻形態など当時の社会の様子を解明する方針。

 常木教授によると、墓地は8月、メソポタミア文明より古い紀元前6500年ごろの集落跡から見つかった。10メートル四方の敷地に約40体の人骨が埋葬されていた。体を折りたたんだ屈葬形式で、多くは20〜30代。最高齢でも45歳だったという。このうち1体は火葬され、一部が人為的に粉砕されていた。また、石製の容器やスタンプ型印章などの副葬品も見つかった。

 個人墓や、洞くつなど1カ所に多くの死体が埋葬された例は1万年以上前から確認されているが、7500年前以前の本格的な墓地は珍しいという。また、火葬と断定できる例も、この時代で他にほとんど例がないという。

 常木教授は「人骨は何層にも重なって埋葬されており、数十年間、墓地として使われたようだ。現代の墓地の原形といえるのではないか」と話している。【石塚孝志】

 ▽西秋良宏・東京大総合研究博物館教授(西アジア考古学)の話 これまで住居の中や床下などでの埋葬は見つかっていたが、この時代に、明確に区切った敷地の中で、複数の埋葬された人骨が見つかったのはとても珍しい。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071213-00000109-mai-soci