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2007年12月12日(水) 19時39分

<レバノン>ベイルート近郊で将軍候補ら4人暗殺毎日新聞

 【カイロ高橋宗男】レバノンの首都ベイルート近郊で12日、自動車爆弾を使った暗殺事件とみられる爆発が起き、政府軍のフランソワ・ハジ准将や兵士ら計4人が死亡した。レバノンでは05年2月のハリリ元首相暗殺事件以降、反シリア派議員らの暗殺が続いてきたが、軍幹部の暗殺は初めて。

 11月23日のラフード前大統領退任後、空席状態が続く大統領ポストに政府軍のスレイマン将軍の就任が最有力視されている。ハジ准将は、将軍が大統領に就任した場合、後任将軍の有力候補だった。

 スレイマン将軍率いる政府軍は欧米や親米アラブが支持する反シリア派と、シリア・イランと関係の深い親シリア派との対立から距離を置き、中立立場を保ってきた。暗殺事件はシリアによる「将軍と軍に対する警告」との見方が反シリア派の間で強まっている。

 レバノン紙アンナハルは、シリアのシャラ副大統領が11日の与党連合「国民進歩戦線」の定期大会で「レバノンでのシリアの同盟者は勢いを増している。レバノン内の何人たりとも、シリアとの戦いに勝てない」と述べたと報じた。

 レバノンの反シリア派と親シリア派はスレイマン将軍を次期大統領候補とすることで大筋合意した。だが、選出手続きや新内閣の陣容を巡って対立を続けている。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071212-00000110-mai-int