記事登録
2007年12月11日(火) 10時55分

<年金記録>39%、1975万件が依然特定できず…社保庁毎日新聞

 宙に浮く年金記録5000万件の内訳に関する社会保険庁の調査結果が11日、分かった。38.8%にあたる1975万件は今後解明がなお必要で、特定が進んでいない。このうち945万件(全体の18.5%)については氏名などの転記ミスがある記録で、今後手書きの原簿と照合をしても持ち主の特定が困難とみている。約2割が基礎年金番号の付いた記録への統合が難しいと判明したことで、「最後のお1人までお支払いする」と言ってきた福田政権に対する、国民の不信は高まりそうだ。

 政府は来年3月までの照合完了も公約しているが、大量の未統合記録が残った場合、公約違反との批判が出ることが予想される。

 社保庁は現在、基礎年金番号の付いた記録1億3000万件の「氏名」「性別」「生年月日」の3条件を、コンピューター上で5000万件の3条件と突き合せているが、まだ5000万件のうち1975万件は条件が一致していない。

 その内訳は、▽死亡者の記録とみられる280万件(5.4%)▽結婚などによる氏名変更510万件(10.0%)▽氏名の漢字誤変換240万件(4.7%)などで、これらの記録の持ち主を特定するには、検索条件を広げた2次名寄せや、手書き原簿と照合する必要があり、時間を要するとみられる。

 最も問題なのは残る945万件で、手書き記録を入力する際、社保庁職員が誤った情報を打ち込んだものや、採用条件を満たすため年齢を偽って申請した人の記録などとみられる。こうした記録は原簿と照合しても情報を一致させるのが難しく、相当数は持ち主の特定が難しそうだ。

 一方、5000万件のうち、1100万件(21.6%)は持ち主が特定できるといい、うち受給者の記録が300万件(5.9%)だった。また、脱退時に一時金を受け取り済みで、今後の受給に結びつかない記録は520万件(10.2%)、氏名が欠落し、復元中の記録は470万件(9.2%)あった。【吉田啓志】

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071211-00000022-mai-pol