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2007年12月10日(月) 21時51分

<薬害肝炎>国が対象拡大嫌い、東京地裁判決を和解基準に 毎日新聞

 薬害C型肝炎訴訟を巡り、国側が和解条件として今年3月の東京地裁判決を基準にするよう大阪高裁に求めている根拠として、「線引きしなければ救済対象が輸血感染などを含め野放図に拡大する」と国会議員に説明していることが分かった。同高裁で進む和解協議でも同様の主張をしているとみられる。

 東京地裁判決では、国と製薬会社の法的責任を85年8月から88年6月と認定。国が勝訴した仙台判決を除くと、原告勝訴の4地裁の中で最も法的責任を限定した判決だった。

 関係者によると国は東京地裁判決を根拠に「85年以前は、感染の危険性はほとんどなかった」とし「輸血による感染率は14.3%であり、(止血剤として使われる)血液製剤の方が安全だった」と主張。さらに「85年以前の感染者は薬害被害者ではなく、責任を認めれば輸血による感染までも薬害と認めることになる」と説明したという。一方、旧厚生省が緊急安全性情報を出すよう製薬会社に指示した88年6月以降の責任については「医療行為上の責任は生じても、国に責任はない」と血液製剤を使用した医療現場への責任転嫁とも取れる説明をしているという。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071210-00000121-mai-soci