記事登録
2007年12月09日(日) 17時04分

脱税疑惑 業者が「大光参り」 広い人脈に県も一目毎日新聞

 大手ゼネコンが受注した巨大プロジェクトに絡み、脱税疑惑が浮上した。鹿島から受け取った裏金など約30億円を申告せず、法人税法違反などの疑いを持たれている大分市のコンサルタント会社「大光」。大賀規久社長は、大型工事の仕切り役として知られ、業者による「大賀参り」も行われていた。「口利きビジネス」は東京地検特捜部が02年に摘発した「業際都市開発研究所」の事件と重なり、業際元社長も大光の出資者に名を連ねていた。

 キヤノンの巨大プロジェクトに絡み、脱税疑惑が浮上した。大手ゼネコン「鹿島」から受け取った裏金など約30億円を申告せず、法人税法違反などの疑いを持たれている大分市のコンサルタント会社「大光」。大賀規久社長は、大型工事の仕切り役として知られ、とりわけキヤノン関連工事では業者による「大賀参り」も行われていた。「口利きビジネス」は、東京地検特捜部が02年に摘発した「業際都市開発研究所」の事件と重なり、業際元社長も大光の出資者に名を連ねていた。

 「大賀さんのところへ行ってくれ」。ある大分県内の建設会社社長は、県発注工事の営業に行った際、県の担当者にこう言われた。別の業者は民間大型工事の下請けに入ろうとゼネコンに行った際、担当者が「大光に行ってください」。そのひと言には、大賀社長が工事の仕切り役であることが明示されていた。

 人脈は、同窓の御手洗冨士夫・キヤノン会長をはじめ、元警察官僚、元国税庁幹部、議員秘書らにも広がっている。脱税疑惑の舞台になったキヤノン子会社の2工場。御手洗氏と広瀬勝貞・大分県知事は03年10月、県庁で「キヤノン大分市進出」を記者発表したが、その数カ月前、進出候補地を視察する県とキヤノン関係者の一行に、大賀社長の姿もあった。

 大光は90年に設立され、株主名簿には、業際事件で徳島県知事への贈賄罪などに問われ、有罪が確定した業際元社長の尾崎光郎・元衆院議員秘書(62)の名前が残っている。尾崎元秘書は「20年以上前にパーティーで知り合い、そのうち大賀さんが事務所に遊びに来るようになって親しくなった。『会社を立ち上げるから出資してほしい』と頼まれ出資したが、今はけんか別れしている」と話す。

 関連会社の監査役には、元熊本国税局長の谷●(やべ)龍二税理士の名前も。「法人会などの地元会合で知り合った。東京に出るので名前を貸してくださいと言われた」という。

●は左上から「立」「口」に「口」「巴」

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071209-00000014-maip-soci