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2007年12月06日(木) 08時32分

和牛商法、配当困難に ふるさと牧場 出資法違反の可能性フジサンケイ ビジネスアイ

 和牛のオーナーになれば売却益で高配当が得られると誘い、出資を募る和牛預託商法の「ふるさと牧場」(東京都港区)が配当を滞らせ、解約時の返金にもほとんど応じられなくなっていることが5日、分かった。

 同社は「3000人以上から100億円を超える預託金を集めた」と説明。一方で、最近数年間は牛を確保できていないのに金を集め、一部を別の会員への配当や返金に充てる“自転車操業”状態と認めており、出資法(預かり金の禁止)などに違反する可能性もある。

 会員からは「詐欺的商法」として賠償などを求める訴訟が相次ぎ、ここ1年でも100人以上が東京地裁に提訴。多くは同社が分割返済を提案、和解や取り下げになったが、返済は昨年末ごろから滞っているという。

 ふるさと牧場は1995年設立。新聞広告などで勧誘した会員に牛を購入させて飼育を引き受け、1〜2年の契約満了後に買い戻し、売却益から一定の配当をする仕組み。出資額は50万円から数千万円まで複数のコースがあり「予定利回り」として年利9%の高配当をうたうものもあった。

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【用語解説】和牛預託商法

 和牛のオーナーになる契約を個人投資家らと結び、集めた金で和牛を飼育、成長した時点で売却し、利益を顧客に還元するという商法。元本保証や高配当をうたい、低金利時代の1990年代半ばに利殖商法として会員勧誘がなされたが、資金を集めるだけで契約通りに営業しない実態が表面化した。対策として国は「特定商品の預託取引契約に関する法律」の取り締まり対象に牛などの家畜を加えた。90年代後半に出資法違反などで業者が摘発され、相次いで破綻(はたん)した。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071206-00000006-fsi-bus_all