記事登録
2007年12月06日(木) 14時18分

社保庁職員が出張旅費の二重受給 同様のケース、自治体でも?産経新聞

 社会保険庁兵庫社会保険事務局(神戸市中央区)管内の社会保険事務所などの職員が、公務出張の際、定期券購入などにあてられる通勤手当を支給されていながら、出張先までの旅費に通勤区間分も含めて支払われていたことが6日、分かった。同局は「支給を適切にするために是正する必要がある」として、今月からこの「二重支給」を中止した。自治体でも同様のケースがあり、公務員の厚遇が指摘される中、批判の声があがりそうだ。
 情報公開された同局の「旅費精算請求書」などによると、ある職員のケースでは、18年12月の公務出張の際に、いずれも通勤定期の区間内のJR明石〜元町と、明石〜三ノ宮間で計4往復3040円の旅費を請求するなど、18年10月〜19年9月の1年間の出張旅費約2万6000円のほとんどが、通勤手当との二重支給になっていた。このほかにも、複数の職員が同様の二重支給を受けており、いずれのケースでも、通勤手当で購入した通勤定期券を持っていた。
 こうした二重支給について外部から「問題だ」という声があがり、同局は今月1日から内部規定の旅費支給規定の運用方法を見直し、出張の経路と通勤経路が同一の場合、重複区間の旅費支給を中止した。
 同局は「指摘を受け、速やかに是正するために運用方法を改めた」と説明。昭和25年に制定された旅費法では、国家公務員の旅費について行政事務が煩雑になるのを避けるために、実際にかかる旅費を上回る額の支給を実質的に認めている状態であるため、「国全体で見直しができれば」としている。ただし、これまでに二重支給した旅費の返還は求めないとしている。
 一方、兵庫県内に10カ所ある社会保険事務所と同局の職員に出張などで支払われた旅費は、平成18年度は約936万円だが、これまでに「二重支給」した職員数や額については「算出していない」としている。

【関連記事】
奈良社保事務局、登録ミスで過剰徴収
社保庁横領、氷山の一角? 悪質な組織的隠蔽も
今度は環境相、鴨下資金団体800万円消えた!
大阪府が1億2000万円“税金滞納”
マンション固定資産税を過剰徴収 山形・米沢市

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071206-00000942-san-soci&kz=soci