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2007年12月05日(水) 17時30分

英メーカーの文書捏造か=意図的水増し否定−山田洋行関与の疑い・防衛省汚職時事通信

 防衛専門商社「山田洋行」が、海上自衛隊哨戒ヘリコプターの装備品代金を水増し請求した問題で、英国メーカー名で防衛庁(当時)に提出された意図的な水増しを否定する内容の文書が捏造(ねつぞう)された疑いがあることが5日、分かった。山田洋行がかかわった可能性があるとして、防衛省は関係者の聞き取りなど調査を進めている。
 この問題をめぐっては、水増し発覚後、前事務次官守屋武昌容疑者(63)=収賄容疑で逮捕=が、庁内調査を統括する課長に電話、山田洋行の処分が見送られたことが分かっている。東京地検特捜部は、わいろの見返りに同容疑者が便宜を図ったとみて追及している。
 山田洋行は2001年、英BAEシステムズ社製の海自ヘリ装備品「チャフ・フレア・ディスペンサー」を納入契約した際、見積書を改ざんして約1億9000万円を水増し請求。過去の価格より高かったことから、防衛庁が問い合わせたところ、BAE社は翌年2月、「見積書は勝手に山田洋行が作成した」と回答したが、3月になって「わが社が発行したものだ」と撤回する文書を山田洋行を通じて提出した。
 同月中に元専務宮崎元伸容疑者(69)=贈賄容疑で再逮捕=が担当課に説明に訪れており、同庁は「意図的な水増しではなかった」と判断。水増し分を引いた金額で契約し、処分を見送った。
 ところが、BAE社は同省の最近の調査に対し、「3月の文書はサインの筆跡が異なる可能性がある」と回答。文書を提出した山田洋行が捏造した疑いが浮上した。 

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