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2007年12月04日(火) 01時06分

NOVA回収「わずか」 破産管財人、受講料返還できぬ朝日新聞

 英会話学校最大手NOVA(大阪市)=破産手続き中=の破産管財人・高橋典明弁護士は3日、同社の資産回収がほとんど進んでいないことを明らかにした。同社による未払い給与などの「優先債権」が57億円に上るとして、570億円もの「前払い受講料」の返還は不可能、との見解を改めて示した。

 高橋弁護士は3日に大阪市北区で開かれた「NOVA被害者説明会」(大阪弁護士会主催)に出席。約420人の受講生にこれまでの資産回収状況などを説明した。

 高橋弁護士によると、NOVAが受講生から受け取った前払い受講料や不動産賃料などの「一般債権」よりも優先的に扱われる債権は57億円で、内訳は未払い給与が約40億円、滞納している国・地方税が約17億円。これに対し、3日時点で回収できた資産については、「優先債権の5%にも達しておらず、ほとんど回収できていない状態だ」と述べた。

 そのうえで、事業を一部引き継いだ「ジー・コミュニケーショングループ」(名古屋市)から受け取る譲渡対価金などを考慮に入れても、「一般債権に回すことができる資産は残らない」との見通しを明らかにした。

 さらに、高橋弁護士はNOVAが年間売上高約500億円のうち、給与に240億円、広告宣伝費に170億円、不動産賃料に100億円をそれぞれ充てていたと指摘。「経営は自転車操業で、受講生から集めた資金は全額消えた。経営陣の責任についても追及し、資産回収を一層進めたい」と話した。

http://www.asahi.com/national/update/1204/OSK200712030108.html