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2007年12月02日(日) 00時00分

大阪府知事選、民主候補に自公が乗る「京都方式」も朝日新聞

 来年1月の大阪府知事選で自民、民主、公明3党は1日、太田房江知事に代わる独自候補の擁立作業を本格化させた。大阪市長選で完敗した自民、公明は民主主導の候補擁立に期待を寄せ、民主もこれを拒まない姿勢を見せる。具体的な候補者名や政策はまだ見えていないが、府議会の与党3党による相乗り候補探しが始まった。

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 「衆院選でどうせ戦う。でも、府政はそうじゃない」。自民党府連の中山太郎会長は1日、自民と民主が知事選で対決するかと問われ、即座に否定した。民主との相乗りを容認したのだ。

 大阪市長選での敗北で、党本部からは総選挙を前に連敗は許されないとクギを刺された。府選出国会議員は「こっちは粛々と民主の候補に乗るだけだ」。ただ、府議の一人は「相乗りは談合。どうやって批判をかわすか頭が痛い」と明かす。

 公明も事情は同じ。支持母体の創価学会は関西6小選挙区の議席死守に力が入る。「衆院選を控え、知事選はできるだけ力を使わずに勝ちたい」(関係者)のが本音だ。

 公明府議の一人は「一番いいのは京都方式」と言う。現職市長が引退する08年2月の京都市長選でとられた手法だ。民主が独自候補擁立を打ち上げ、その候補の要請を受ける形で自公が相乗りする。首長選での「原則相乗り禁止」の民主の顔も立ち、対立したくない自公にもメリットがある。

 民主の平野博文府連代表も「他の政党がうちの候補に『乗せてくれ』というのを否定はできない」との発言を繰り返している。ある府議は「民主単独での選挙は厳しい。資金の問題もある」という。ただ、同党は「他党と相談しながら候補者を探すことはない」(半田実府議団幹事長)として、事前のすりあわせは否定している。

 与党3党の動きについて、知事選で梅田章二氏を推薦する共産党府議団の宮原威団長は「太田氏を2期8年支えてきた3党にも責任がある。頭だけ変えて構造を温存するなら、府民に背を向けた話だ」という。

 一方、太田氏はこの日の女性知事5人のフォーラムで「五輪は一つ欠けてもオリンピックにならないから、頑張っていきたい」と述べ、出馬意欲を改めて示した。

http://www.asahi.com/kansai/news/OSK200712010219.html