記事登録
2007年12月02日(日) 12時09分

報道とは〜香川県坂出市殺人事件に思うツカサネット新聞

香川県坂出市の行方不明事件は、最悪の結果となってしまった。

殺された3名のご冥福を心から祈り、犯人には、被害者の無念以上の厳罰を望む。
金銭に絡む怨恨が理由とされるが、人が人を殺すことが、そんなくだらない理由で行われることは信じがたい。まして、親族であり、幼い子ども達まで、巻き込まれる事由が、僕には、理解できない。命が金よりも軽くなったのは、いつ頃からのことだろう。

容認するつもりはないけど、貧困が理由で人を殺めることは、その背景にある社会も大きな存在であった。永山則夫にしても金嬉老にしても、たとえ、それが詭弁であれ、その動機を世間は納得して、同情した。だけど、永山以降、殺人の極刑が、数の世界に換算されていることも事実だ。よっぽどの理由がないと人は人を殺せないはずなのに、昨今、命より金のほうが重くなってきたことに僕は恐怖している。何だか最近の事件を見てるとヴェニスの商人がそこかしこにいるみたいだ。しかも、肉以外に髪の毛や血までも取ろうとするから、始末が悪い。

今回の報道に批判が集中している。お茶の間の話をブログに書いただけで、星野奈津子は、女優生命を絶たれるかもしれない。このことが、今後、有名人のブログに影響を与えないか危惧している。今回の事件が、世間の注目を集めたのは、無職の父親にメディアが、異常な興味を示し、ストーリーを作ってしまったことに起因する。彼のキャラクターがおそらく、様々なストーリーを考えさせたのだろう。

ワイドショーは、当然、報道番組でなく、娯楽番組なのだから、台本がある。あの父親の露出度、カメラアングルは、すべて、特定したもので、司会者のコメントも世間の興味を喚起した。だけど、真犯人の逮捕で彼らはその場に立ち尽くし、くやし涙を流したはずだ。被害者に対して、涙すら流さない奴らなのに。いまだに、彼と事件との関連性を探る未練たらたらの態度だ。警察は、今回はじっくりと捜査できたのだろう。時間をかけた分、事実を明確に把握している。記者発表が勝利宣言のようであった。

事件が、マスコミと警察の2ルートで捜査が行われているのが、僕には、疑問だったが、今回は、警察に結果的に協力したマスコミに拍手を送りたい。今後は、山下清さんに、どう責任をとるかを見守りたい。松本サリン事件で河野義行さんに謝罪を約束しながら、いまだに、謝罪していないマスコミが山下さんにいかに謝罪するかを見守りたい。無職で、パチンコ三昧の生活をしていることが犯罪なのなら、そう、発言すればいい。

テレビでは、小倉智明は、謝罪したけど、山下さんを激怒させたみのもんたは、何もコメントできないでいるというより、無視している。今年は、謝罪に終始した1年だ。最後にマスコミ各社によるこれが謝罪だという今後のマニュアルとなる行動でしめくくってもらいたい。





(記者:小鳥遊城司)

■関連記事
小鳥遊城司記者の書いた他の記事
「社会・社会問題」カテゴリー関連記事

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071202-00000004-tsuka-soci