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2007年12月02日(日) 07時50分

振り込め詐欺の温床 通帳詐欺の逮捕者12人に 和歌山県警産経新聞

 他人に渡す目的で金融機関に口座を開き、通帳をだまし取る通帳詐欺容疑や、振り込め詐欺などの犯罪に使用される恐れがあることを知りながら通帳を売り渡す本人確認法違反容疑での逮捕者が、今年に入って12人にのぼることが和歌山県警のまとめでわかった。金ほしさからこうした犯罪に手を染めるケースが大半で、県警では、「インターネットなどでの『通帳を買います』といった誘いには絶対にのらないで」と呼びかけている。

 県警によると、通帳詐欺容疑と本人確認法違反容疑による逮捕者はそれぞれ11人と1人。譲渡目的で作られたとみられる通帳は約110通にのぼる。1人で、少ない場合でも数通、最大約60通の通帳を金融機関からだまし取っていた。中には学生も含まれていた。

 このうち、10月に通帳詐欺容疑で逮捕された和歌山市内の専門学校生(22)は、携帯電話の裏サイトで通帳の買い取りを知り、小遣いほしさで通帳を作成し、キャッシュカードなどと合わせて約3万円で売り渡していた。

 多くの場合、通帳の受け渡しには私書箱などが利用され、譲渡先の特定が難しい。しかし、平成15年ごろから振り込め詐欺などの被害が急増し、現金の振込先としてこうした譲渡された口座が使われてきたため、県警は対策に本腰を入れた。昨年までの逮捕人数は、16年が3人、17年が29人、18年は12人となっている。

 また、通帳詐欺だけでなく、振り込め詐欺自体にかかわった疑いのある逮捕者も出ている。先月19日、通帳詐欺で逮捕されていた暴力団員の男(42)が、通帳詐欺で入手した通帳を買い取ったとして、盗品等有償譲受け容疑でも逮捕された。この通帳は実際に、岐阜県内で発生した振り込め詐欺で使われており、県警は男の関与を追及している。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071202-00000021-san-l30