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2007年12月01日(土) 08時02分

アーミテージ氏側にコンサル料 山田洋行1億円超 米国務副長官在任中も産経新聞

 防衛専門商社「山田洋行」の米国現地法人が、リチャード・アーミテージ元国務副長官と側近の会社に、過去7年間で総額100万ドル(約1億1000万円)余りをコンサルタント料として支出していたことが30日、分かった。アーミテージ氏の副長官在任中も支出が続いていた。日本で防衛官僚や政治家に接待や資金提供をしていた山田洋行元専務の宮崎元伸容疑者(69)らが、日本の防衛政策に大きな影響力を持つ米政府関係者の人脈づくりにも多額の資金を投じていた実態が浮かんだ。

 関係者によると、山田洋行の現経営陣が進めいてる社内調査で、米国子会社「ヤマダインターナショナルコーポレーション」による1999年以降のコンサルタント料の支出記録が判明した。支出先は毎年10法人以上あり、ほとんどが国務省と国防総省、共和党の関係者の関連法人だった。

 このうちアーミテージ氏が設立したコンサルタント会社「アーミテージ・アソシエーツ」に対しては、1999〜2003年と05年に毎年約5万〜12万ドルの支出があり、総額57万ドル余りにのぼっていた。

 また、アーミテージ氏の側近として知られるロビン・サコダ元国防総省日本部長のコンサルタント会社には、1999〜2003年に毎年約5万〜12万ドルで総額43万ドル弱の支出があった。

 これらはいずれも正規のコンサルタント契約に基づく支出とみられ、98年以前も多額の支出があったという。

 アーミテージ氏は93年にアーミテージ・アソシエーツを設立し、国防総省のアドバイザーとなった。2001年3月〜05年1月にブッシュ政権の国務副長官を務めた後、新たなコンサルタント会社「アーミテージ・インターナショナル」を設立している。

 アーミテージ・インターナショナルの話「取引関係についてコメントすることはない」

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 ■米人脈、守屋容疑者に橋渡し

 米政府内で屈指の知日派として知られてきたアーミテージ元国務副長官は、日本の政官界に幅広いパイプがあり、日米同盟関係のあり方や、沖縄の在日米軍再編などについて発言するなど、日本の防衛政策に影響を与えてきた。山田洋行元専務の宮崎元伸容疑者は「20年以上前からアーミテージ氏と交流してきた」と周囲に語っている。

 アーミテージ氏は1973年に米海軍を退役し、80年代にはレーガン政権で国防次官補代理(東アジア担当)、同次官補(国際安全保障政策担当)などを歴任。当時から知日派として知られ、2000年に発表した「アーミテージ報告」では、対日同盟を対英なみに強化すべきと提言。在沖縄米海兵隊の削減、移転なども説いていた。

 翌年、ブッシュ政権の国務副長官に就任し、対日政策を取り仕切る存在となった。米中枢同時テロ後には、日本政府に米国の軍事行動などへの「顔の見える貢献」を求めたとされる。

 一方の宮崎容疑者は、アーミテージ氏との交流を周囲に自認。前防衛事務次官の守屋武昌容疑者(63)にも、「アーミテージ氏らとよく会うべきだ」と勧めていた。

 海外勤務経験がなく、米国人脈がなかった守屋容疑者は、宮崎容疑者の助言を受け入れて、アーミテージ氏と知り合ったという。その後は、沖縄の米軍再編問題を「ライフワーク」と位置づけるようになっていた。

 また、宮崎容疑者が山田洋行から独立して昨年9月に設立した防衛専門商社「日本ミライズ」は、アジアの米軍再編に関連した事業の受注も画策していたといわれる。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071201-00000064-san-soci