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2007年12月01日(土) 17時39分

「危ないですよって……」 宮崎元専務、部下の進言無視朝日新聞

 危ないですよって、注意したんですが……。軍需専門商社「山田洋行」の一部の社員は、同社元専務の宮崎元伸容疑者(69)=贈賄容疑で再逮捕=による、前防衛事務次官の守屋武昌容疑者(63)=収賄容疑で逮捕=らに対する常軌を逸した接待攻勢に気づいていた。しかし、宮崎元専務が部下の進言に耳を貸すことはなく、ついに明るみに出た長い間の過剰な接待は「大物次官」夫妻による汚職事件に発展した。

 宮崎元専務による守屋前次官へのゴルフ接待は、昨年3月までの8年間だけでも300回以上あり、元専務らの分も含めた費用は1500万円以上に上る。東京地検特捜部はこのうち、前次官が事務次官在任中の北海道や九州へのゴルフ旅行計12回、総額約389万円分がわいろにあたるとして、前次官の妻幸子(さちこ)容疑者(56)を含む3人を逮捕した。

 ある社員は長期間にわたった宮崎元専務のゴルフ接待について、何度もやめるよう進言したという。「でも、聞いてもらえなかった」と語った。

 山田洋行が大手総合商社などに対抗して実績を上げてきたのは、多額の接待費を使って営業を続けた宮崎元専務一人の人脈によるところが大きいと言われる。

 それだけに発言力も大きかったが、同社関係者によると、宮崎元専務はさらに、部下が自分をとびこえて同社のオーナーと接触することを禁じていたという。オーナーが会社に姿を見せるのは年に数回で、日常業務では元専務が実権を握っていたとされるが、自らが続けていた過剰接待の実態を社内に影響力が大きいオーナーにつかまれないようにしていた疑いもある。

 ひそかにオーナーに伝えることはできなかったのか。関係者は「(宮崎元専務が)怖くて、そんなことできなかった」とも話した。

 宮崎元専務が刑事責任を問われるだけでなく、山田洋行が行ってきた取引そのものを問題視する動きも急だ。防衛省は11月22日、航空機材などの代金の過大請求を理由に同社と米国子会社を取引停止処分にするとともに、現在、同社との契約を可能な限りさかのぼって調べている。石破防衛相は同月25日、過大請求について「基本的に詐欺事件だ」とし、同社を刑事告発する意向を明らかにした。

 こうした動きについてある幹部社員は「社員はみんな動揺している」と語った。

http://www.asahi.com/national/update/1201/TKY200712010174.html