記事登録
2007年12月01日(土) 13時56分

乳がん 癒しの湯 長野・昼神温泉 入浴着理解呼びかけ朝日新聞

 「人目を気にせず、ゆっくり温泉につかりたい」。乳がん手術を受けた女性のそんな願いにこたえようと、長野県阿智村の昼神(ひるがみ)温泉郷が今月から協力を始める。乳がんの早期発見と治療を目指す「ピンクリボン運動」に、20軒ある旅館や日帰り入浴施設のほぼ3分の2が賛同。女性が「入浴着」で湯につかることへの理解をポスターなどで呼びかけ、貸し切りにすることも計画している。

多くの施設がピンクリボン運動に取り組む昼神温泉郷=長野県阿智村で

 長野県南部にある昼神温泉は、1973年に温泉がわき出た比較的新しい温泉地。中央自動車道に近く、中京圏を中心に年間約80万人が訪れる。

 温泉が見つかって来年で35周年。そこで温泉郷の振興を目的とする第三セクター・昼神温泉エリアサポート専務の木下昭彦さん(54)が旅館などに呼びかけ、ピンクリボン運動に協力することにした。

 同運動を進めるNPO「J・POSH(日本乳がんピンクリボン運動)」(大阪市)にオフィシャルサポーターとしての登録を申し込み、約60の企業・団体の一つとして認められた。

 乳がんの手術をした女性は人と一緒に入浴する際、傷跡を隠す「入浴着」を身につけることが多い。そこで、賛同した旅館や入浴施設では、従業員らがピンクリボンのピンバッジを身につけるほか、「温かい気持ちでご理解を」と呼びかけるポスターを張る。

 また年に2回、「ピンクリボンの日」を設け、貸し切りにすることも計画している。「昼神温泉はしっとり、つるつるしたお湯。仲間のネットワークを広げる場にもなってほしい」と木下さん。

 J・POSH事務局は「乳がんの手術をした女性が温泉に入るのは勇気がいる。ピンクリボン運動に共鳴してくれる温泉地があり、うれしい」と歓迎している。

http://www.asahi.com/life/update/1201/TKY200712010128.html