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2007年11月30日(金) 10時00分

衆院の早期解散権を握っているのは小沢一郎日刊ゲンダイ

 新テロ法案で国会が行き詰まったことから、自民党はさかんに解散風を吹かせている。26日の会見では福田首相まで「出合い頭解散」を否定しなかった。しかし、実際に早期解散権を握っているのは小沢民主党代表だ。

「福田首相や自民党幹部の解散発言はすべて野党への脅しです。首相は解散しないために担がれた人であり、本人もまったく急ぐ気はない。でも、あえて解散風を吹かせないといけないくらい追い込まれているのです」(政界関係者)
 27日から参院で審議入りする新テロ特措法だが、野党は審議する気はなく、廃案をめざしている。となると自公政権としては60日ルールを使って、1月中旬に衆院で再可決するしかないが、それには再度の国会延長が必要となる。自動的に来年の通常国会につながる“通年国会”となるのだが、これが福田首相には困るのだ。
「自民党の考えは、野党に今の臨時国会中(12月15日まで)に法案を否決してもらって、直ちに衆院で再可決すること。参院で問責決議が可決しても、衆院で信任決議を可決してグチャグチャにする作戦です。もちろん来年の通常国会でも参院の問責は生きるわけですが、いったん国会を閉めてしまえば、参院の審議は来年2月からしか始まらないから効力は薄れるし、その間に内閣改造もしてしまえば、有権者も忘れてしまう。そこに自民党は期待している。逆に臨時国会を再延長して通年国会になると、問責決議は生き続け、福田首相は参院に“出入り禁止”になる。となると解散に打って出るしかない。で、あまりダダをこねると出合い頭解散もありますよ、と野党に“理解”を求めてるわけです」(自民党事情通)
 要するに、今後の国会の焦点は、この臨時国会中に野党が新テロ特措法を否決して解散ナシとなるのか、それとも審議未了の廃案で国会再延長の解散に突入するのか、その選択になっているのだ。
「その意味で解散権を握っているのは、福田首相でなく、小沢代表なのです。側近の山岡賢次国対委員長は、廃案をめざして1月15日解散、2月17日総選挙を言い始めていますが、小沢代表はまだ決断がつかないでいる。大連立に走ったように、総選挙で大勝できる自信がまだないのです」(前出の政界関係者)
 猶予はあと2週間あまりだ。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071130-00000011-gen-ent