記事登録
2007年10月30日(火) 23時56分

<船場吉兆>古い惣菜は「料理店に」 食材と交換認める毎日新聞

 「船場吉兆」(大阪市)が福岡市中央区天神の百貨店「岩田屋」の「吉兆天神フードパーク」で、消費期限切れの菓子を販売していた問題で、店で販売している総菜のうち、納品から日数がたった一部を岩田屋7階の日本料理店「吉兆天神店」の食材と交換していたことが分かった。福岡市の調査に、吉兆側は「古くなった総菜を交換した」と認めており、不透明な食材の動きが浮き彫りとなった。市は「吉兆天神店」の納品書など帳簿類の提出を指導した。

 関係者によると、市と九州農政局は菓子類を調査した後の今月25日、総菜の帳簿類を調査。フードパークで扱っている黒豆や豆腐など計6品目の総菜のうち、一部の商品について納品日と販売日の関係に不審な点があることが分かった。市は消費・賞味期限切れの可能性があるとみて、船場吉兆に確認したところ、26日、口頭で「期限の切れていない古い総菜を7階の吉兆天神店で使い、天神店に入荷した食材をフードパークに置いていた」と説明したという。

 市はフードパークの帳簿類だけでは、店頭商品の入れ替え状況がわからず、実態をつかむ必要があるとして、吉兆側に天神店の帳簿類の提出を指導した。今後、食材の入荷先なども調べるが、現時点で、フードパークで賞味期限が切れた総菜の販売があったことは確認されていない。

 吉兆天神店は、岩田屋本店新館7階にあるレストラン街に出店。懐石料理などのメニューが主力商品で、昼は3000円前後から、夜は6000円前後からの料金を設定し、東京、大阪で展開する料亭「吉兆」より割安な価格で提供している。

 岩田屋幹部は「菓子類について、日付改ざんがあったので、同じ店で扱っている商品についても検査を行うと聞いている」としている。

 船場吉兆は取材に「総菜と食材の入れ替えをしていた」と話している。【反田昌平、高橋咲子】

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071030-00000158-mai-soci