記事登録
2007年10月30日(火) 18時01分

NOVA、前払い受講料負債膨らむ 700億円の可能性朝日新聞

 会社更生法適用を申請した英会話学校大手NOVA(大阪市)の負債のうち、約400億円とされている前払い受講料が、700億円程度に膨らむ可能性があることが分かった。授業ができなくなったため、売上金として計算してきた前払いの一部を負債として計算し直す必要があるためだ。総負債額が大きく膨らむことになり、スポンサー企業探しにも影響しそうだ。

 NOVAの保全管理人は26日の会見で「前払い受講料は400億円を超える。負債総額は666億円」と明らかにしている。さらに詳しく調べた場合、前払い受講料は600億〜700億円に増える可能性があるという。

 前払い受講料が増えるのは、NOVAの会計処理方法に原因がある。

 NOVAは、受講生が契約時に前払いした金額のうち、45%を売り上げとして計算。残りの55%を前払い受講料として帳簿上の負債に入れていた。受講生が予定通り授業を受ければ問題はないが、実際に授業を受けなかった場合、一度売り上げとした金額を負債として計算し直す必要がある。

 NOVAは、会社更生法申請前から、中途解約の動きが広がっていた。さらに資金繰りの悪化で講師不足や教室閉鎖が相次いでいた。売り上げとして計算されていた金額の多くが負債になる可能性が高い。

 今後、NOVAを支援するスポンサー企業が現れて受講生との契約が続けば、前払い分を生かして授業を続ける道が残る。ただ、その場合には、スポンサー企業は教室や講師などの運営資金を負担することになり「株主がいる以上、負債が増えれば支援はますます難しくなる」(金融機関)との見方が強い。

 保全管理人は、猿橋望前社長が過去に交渉した企業のほか、楽天やヤフー、流通大手のイオンに交渉をよびかける方針を明らかにしている。「今後1カ月の短期決戦」としており、支援が得られなければ破産手続きに移行する可能性が高い。

http://www.asahi.com/kansai/news/OSK200710290067.html