記事登録
2007年10月30日(火) 16時06分

海自の航海日誌 他の2隻でも廃棄産経新聞

 海上自衛隊の吉川栄治海上幕僚長は30日の会見で、インド洋でテロ特措法に基づく外国艦艇への補給活動を実施していた海自補給艦「とわだ」の航泊日誌が誤破棄された問題に関連して、海自が実施した調査の結果、他に2隻の護衛艦でも内部規則に違反して航泊日誌を破棄していたことを明らかにした。
 海上幕僚監部によると、「とわだ」の誤破棄発覚後の10月9日から海自保有の全艦艇261隻の航泊日誌の保存状況を緊急調査した結果、誤破棄の事実が確認された事例が、「とわだ」以外に護衛艦の「みねゆき」と「ゆうばり」の2隻あり、別の2隻で現在もなお日誌を捜索中だという。保存義務期間にもかかわらずに誤破棄された日誌は「みねゆき」で11カ月分、「ゆうばり」で3カ月分としている。
 さらに、誤破棄以外に航泊日誌の4年間(艦内に1年間、所属する地方総監部に3年間)の保存を義務づけた「航泊日誌に関する達(通達)」については大半の艦艇が順守していなかったことも判明、忠実に規則を守っていたのは「261隻中わずかに数隻」に過ぎないという。
 「とわだ」の航泊日誌の誤破棄は、同艦がインド洋に派遣されていた時期の日誌が誤破棄されていたことで、国会でも取り上げられるなど大きな問題になっているが、他にも誤破棄や保存規則違反の事実が明らかになり、海自の文書管理の杜撰さが改めて浮き彫りとなった。

【関連記事】
補給艦の航海日誌を廃棄 インド洋での補給時期
福田首相と小沢代表、海自補給活動めぐり党首会談
海賊拿捕など8件 海自補給の多国籍軍がインド洋で
海自補給、半数近く賛成 合同世論調査
イラク「勝利宣言」は尚早 米紙報道受け海兵隊幹部

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071030-00000940-san-pol