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2007年10月29日(月) 17時05分

表示偽装1年以上 5種類2971個 吉兆菓子朝日新聞

 高級料亭「吉兆」を展開するグループ会社の一つ、船場吉兆(大阪市)が、消費・賞味期限が切れた菓子を福岡市の百貨店で販売していた問題で、同社幹部らは29日、偽装は少なくとも06年1月には始まり、今年9月までの販売数が計2971個に及ぶことを明らかにした。販売済みの商品のうち37%の期限が偽装されており、1個も廃棄していなかったという。偽装について、吉兆側はアルバイト店員がしていたとして関与を否定した。

閉鎖された吉兆の食品売り場=29日午前10時15分、福岡・天神で

会見で頭を下げる船場吉兆の湯木尚治取締役=29日午前11時6分、福岡市の福岡証券取引所で

 市などの調査では、船場吉兆が岩田屋に出店している「吉兆天神フードパーク」で販売していたプリンやゼリーなど5種類について、期限が切れているのにラベルを張り替えて期限を延ばしていたことが発覚。売れ残り商品のラベルを毎日張り替え、期限表示を1日ずつ延ばしていたことがわかった。

 船場吉兆の湯木尚治取締役と岩田屋の速水俊夫社長らは29日、福岡市で記者会見した。販売数などを記録した日報が残る06年1月2日〜07年9月11日について両社が調べたところ、5種類の菓子は計8000個を販売し、うち消費・賞味期限を偽装していたのは計2971個だった。内訳は黒豆プリン2188個、抹茶ゼリー324個、桜ゼリー255個、黒豆タルトは大小で計66個、ほうじ茶マドレーヌ138個。桜ゼリーは販売総数のうち偽装個数が約73%もあった。

 偽装していた期間について、岩田屋の担当社員は会見で、「フードパークが開店した04年3月の当初からラベルの管理はずさんだったようだ」と話した。

 湯木取締役らによると、5種類の菓子の製造は別業者に委託し、消費・賞味期限は納入日の翌日に設定。だが、売れなかった場合はフードパークのアルバイト店員6人が期限を1日延ばした表示のラベルに張り替え、再び店頭に出していた。

http://www.asahi.com/national/update/1029/SEB200710290010.html