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2007年10月27日(土) 08時02分

犯罪被害者白書 遺族が手記支援訴え産経新聞

 政府は26日、犯罪被害者に対する政府の支援策の実施状況をまとめた平成19年版「犯罪被害者白書」を閣議決定した。白書には、山口県光市の母子殺害事件の遺族、本村洋さんが「遺族の思い」と題して手記を寄せ、結婚や長女誕生の思い出、裁判の経過などに触れ、犯罪被害者への支援策の充実を求めた。

 白書によると、「犯罪被害者等給付金」については、最高額(障害給付金約1800万円)を自賠責(重度後遺障害4000万円)程度に近づける方向で検討している。

 また、都道府県や政令指定都市に対し、犯罪被害者への総合的な対応を行える窓口を設けるように要請し、今月1日現在、27道府県と浜松市に設置された。犯罪被害者への理解を深め、犯罪の抑止につなげるため「犯罪被害者週間」を設け、関連行事として「第1回国民のつどい中央大会」などを実施した。

 白書は、17年12月に閣議決定された「犯罪被害者等基本計画」に基づく258項目の被害者対策について、どの程度実施されているかをまとめたもので2回目の発行。

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【用語解説】光市母子殺害事件

 山口県光市で平成11年4月に起きた。起訴状などによると、犯行時18歳だった元会社員の被告(26)が本村洋さん方に侵入。本村さんの妻、弥生さん=当時(23)=の首を絞めて殺害して乱暴し、泣きやまなかった長女の夕夏ちゃん=同11カ月=を床にたたきつけた上で絞殺した。1、2審は無期懲役を言い渡したが、最高裁が昨年6月、「特に斟酌(しんしゃく)する事情がない限り、死刑の選択をするほかない」として、審理を2審広島高裁に差し戻した。同高裁で審理が続いている。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071027-00000081-san-soci