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2007年10月27日(土) 20時04分

<NOVA>株式巡り不自然な取引 保全管理人が調査へ毎日新聞

 会社更生法の適用を申請し上場廃止が決まった英会話最大手NOVAの株式をめぐり、経営が混乱する過程で一部が「行方不明」になったり、出来高の急増や株価の乱高下など不自然な取引が目立ったことが話題となっている。情報開示の不備や資金調達方法の不透明さなども指摘され、保全管理人は26日の会見で株について調査する方針を明らかにしている。

 NOVA株は、年初から100円前後で推移していたが、6月の一部業務停止命令を嫌気してじりじりと値を下げた。しかし、8月末に入って出来高が膨らみ始めた。28日は、前日の約7.6倍の366万株、翌29日は2024万株、9月7日は発行済み株式の約88%にあたる5993万株に達した。株価は8月31日に24円と上場来安値を記録した後、9月11日には78円まで反転。わずか7営業日で3倍以上に回復して、再び急落した。

 NOVA株は今年7月末現在、前社長の猿橋望氏と親族が経営するノヴァ企画が計7割を保有し、市場に流通する浮動株は2割程度だった。市場では「大量の株がどこにあるのか、不可解」「株価操作が行われているのではないか」などと憶測も飛び交った。

 一方、猿橋氏らは7月末〜8月中旬、保有する2200万株(発行済み株式の約33%)を投資コンサルタントに委託。一部は海外の金融グループに一時的に貸し出し、返却された。資金調達のためだったと言われているが、委託した株のうち800万株が未返還のまま。この株が「借金の担保として流れた」(証券関係者)との推測もある。また、今月9日には大規模な新株予約権の発行計画を発表。保全管理人は、「法令順守の上で問題がなかったか調査中」と語り、猿橋氏の責任を調べる考えも示した。

 NOVA株は26日に終日売買が停止。前日25日の終値は29円にとどまり、予約権の行使価格(35円)を下回っていた。【井出晋平】

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