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2007年10月26日(金) 11時35分

NOVAが会社更生法申請、負債総額500億円規模に読売新聞


会社更生法を申請したNOVAで、休校を知らされ足早に引き上げる外国人スタッフ(東京・銀座のNOVA銀座本校で)

 英会話学校最大手のNOVA(統括本部・大阪市)は26日未明、大阪地裁に会社更生法の適用を申請し、受理された。同地裁はただちに保全管理命令を出した。NOVAは全教室を一時休校としている。

 負債総額は7月末時点で439億円で、その後の家賃や給与の未払い分を含め、最終的には500億円規模になるとみられる。経済産業省による一部業務停止命令などで経営が悪化し、講師への給与遅配や一部臨時休校などで経営が混乱していた。経営合理化などを図り、再建を目指す。

 大阪地裁からNOVAの保全管理人に選ばれた弁護士2人が、同日午後3時から、大阪市内で記者会見し、今後の対応などを説明する。

 NOVAは25日深夜、東京・新宿のNOVA東京本部で、欠席した創業者の猿橋(さはし)望社長(56)を除く3取締役が臨時取締役会を開き、猿橋氏の社長解任と、会社更生法申請に踏み切る方針を決めた。猿橋氏に代わり、渡辺勝一氏(54)ら3取締役がそろって25日付で代表権を取得した。裁判所が更生手続きの開始を決定して更生管財人が選任されるまで経営に当たる。

 40万人近い受講生が前払いしている受講料は約255億円(今年3月末時点)にのぼる。会社更生法の場合、未払い賃金や金融機関からの借り入れに比べて、前払い受講料は返済の優先順位が低く、受講料の全額返還は困難な状況だ。

 NOVAは当面、混乱回避と資産保全のため、全国に800前後ある全教室の運営を一時停止する。保全管理人のもとで営業内容などを精査し、不採算の数百教室を閉鎖する。人員整理にも着手して営業を再開し、授業継続を図る。

 NOVAは1981年、猿橋氏が知人の外国人2人と大阪・心斎橋で創業した。「NOVAうさぎ」のキャラクターや「駅前留学」のテレビCMなどで知名度を上げて店舗網を全国に拡大し、96年に店頭(現ジャスダック)上場を果たした。2005年には教室数977、生徒数約50万人で、英会話学校市場の約50%を占める最大手に成長させた。

 しかし、長期契約の解除に応じないなどのトラブルが多発し、今年2月に経産省と東京都の立ち入り検査を受けた。6月13日の行政処分後は、解約が増えて資金繰りが悪化した。流通大手などとの資本・業務提携による生き残りを模索したが、条件面で折り合わなかった。7月から給与遅配や家賃不払いが始まり、9月以降、外国人講師が確保できずに閉鎖や臨時休校する教室が相次ぐ事態になっていた。

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 NOVAの会社更生法の申請を受け、ジャスダック証券取引所は26日、NOVA株を終日売買停止にすると発表した。27日付で監理ポストに割り当て、11月27日付で上場廃止する。

http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20071026it02.htm