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2007年10月26日(金) 08時36分

キャリア・コンサルの国家資格創設へ 能力向上めざす朝日新聞

 厚生労働省は25日、職業選択や能力開発に関する相談に応じるキャリア・コンサルタントの国家資格を創設する方針を固めた。同様な民間資格が乱立し、資格取得者の能力格差が問題になっていることから、質の向上を図る狙いがある。

 厚労省は、職業能力開発促進法に基づく国家資格である「技能検定」の一つに「キャリア・コンサルティング」を追加。上級者向けの1級と、中級者向けの2級を設け、国が指定する民間機関が実施する。1回目の試験は来年度中に行われる予定だ。

 政府は01年、失業対策として、キャリア・コンサルタントを5年間で5万人育成する方針を決定。厚労省が一定基準を満たす民間の育成機関に助成金を出して後押ししている。こうした機関が認定する民間資格の取得者は、06年度末現在で約4万3000人に上る。

 ところが、民間資格が10種類以上乱立し、資格認定機関も公益法人から株式会社まで様々。なかには講座を数日間受けただけで取得できるものもあり、資格取得者に相談した人から「初心者であることは明らかだ」などと批判も上がっている。

 政府は来年度、若者や母子家庭の母らの就職を支援する「ジョブ・カード制度」の一環で、キャリア・コンサルタントによる無料相談を始める予定で、コンサルタントの質の向上を急いでいる。

http://www.asahi.com/life/update/1026/TKY200710250436.html