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2007年10月26日(金) 06時29分

清大寺五重塔など35億円で公売 管理会社が税滞納 朝日新聞

 福井県勝山市は25日、奈良の大仏より約2メートル高い「越前大仏」(高さ約17メートル)で知られる大師山清大寺内にある五重塔、日本庭園などの不動産を一括公売すると発表した。宗教法人化される前の管理会社などが市税を滞納したため差し押さえていた物件で、入札の最低売却価額は計35億円。全国的にも異例の高額公売で、買い手がつくか注目される。

公売にかけられる五重塔(奥)や九龍殿(中央の建物)。手前の大仏殿は公売の対象外=福井県勝山市で、本社ヘリから

 公売物件は、土地が計約3.4ヘクタール。建物は国内最大級の高さ約75メートルの五重塔、中国の装飾壁を再現した九龍殿、講堂、日本庭園など。大仏殿は公売の対象外。

 同寺は87年に、同市出身のタクシー会社の創業者が385億円で建立。観光寺として所有・管理していた系列の不動産会社(今年1月に廃業)が経営不振などで、タクシー会社とともに約10年前から固定資産税など三十数億円を滞納し、市が差し押さえた。02年に宗教法人化され、臨済宗妙心寺派の末寺となった。会社は施設を寄付し、寺院経営から撤退した。

 公売は11月16〜27日の期間入札で、同29日に開札。同6日に説明・下見会を開く。入札参加者は期間中に、公売保証金3億5000万円を納付する必要がある。

http://www.asahi.com/national/update/1025/OSK200710250104.html