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2007年10月26日(金) 03時05分

金大中事件、韓国が日本に謝罪へ 26日にも朝日新聞

 韓国政府は25日、73年に東京で起きた金大中(キム・デジュン)氏拉致事件について、日本政府に事実上の謝罪を行う方針を決めた。26日にも柳明桓(ユ・ミョンファン)駐日韓国大使が高村外相に伝える。韓国の情報機関、国家情報院の真実究明委員会が24日、当時の情報機関・中央情報部(KCIA)による事件への組織的関与を認める報告書を公表したことを受けた。日本政府は韓国側の謝罪を受け入れる見通しだ。

 複数の関係筋によれば、韓国政府は25日夕、大統領府で関係閣僚による対策会議を開催。日本側が「韓国政府の公権力による主権侵害が明らかになり、73年と75年の政治決着の前提が崩れた」として、謝罪や事件の再発防止、関係者の処罰を非公式に求めた案件について対応を協議した。

 そのうえで、日韓関係が悪化し、11月21日にシンガポールである東アジアサミットの際に開かれる見通しの日韓首脳会談などに悪影響が及ぶことを憂慮。問題の早期解決を図ることを決めた。

 謝罪の具体的な表現は明らかになっていないが、宋旻淳(ソン・ミンスン)外交通商相や千皓宣(チョン・ホソン)大統領府報道官が24日に表明した「遺憾の意」を、日本側に直接伝える内容になる見通しだ。

 再発防止も約束する一方、再調査で事件への関与が明らかになったKCIA要員らに対する処罰については、日本側が求める捜査協力に応じることが難しいとの考えを伝える見通しだ。

http://www.asahi.com/international/update/1025/TKY200710250422.html