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2007年10月25日(木) 00時00分

シャープが次世代の液晶を開発読売新聞


画面上で名刺をスキャンすることもできる

 シャープはこのほど、タッチパネルやスキャナーなどの入力機能を搭載した「光センサー内蔵システム液晶」を開発したと発表した。

 モバイル機器がますます多機能化する中、薄くて操作が簡単な液晶の需要に対応するのが狙いだ。

美しい画面表示と薄型化を実現

 この液晶、厚さが約1ミリと、従来のものと比べて約半分となり、様々な機器への搭載が可能となる。まずは、携帯電話や携帯音楽プレーヤー向けにサンプル出荷し、2008年春から量産態勢に入る予定。

 タッチパネル機能の搭載は現在、スマートフォンやデジタルカメラ、個人用の携帯情報端末であるPDA(Personal Digital Assistants)、超小型パソコンなど、モバイル機器用のディスプレーでは必須になりつつある。しかし、液晶パネルの上からタッチパネル用のフィルムなどを張り合わせる従来方式では、表示品位の低下や、ディスプレー部の厚みが増すといった問題があった。

 今回開発に成功した光センサー内蔵システム液晶は、スキャナーなどで利用されている光センサーを、液晶パネルの各画素一つ一つに内蔵させることで、触れた指先などを検知する仕組み。タッチパネル用のフィルムなどが不要になるため、従来方式と比べ、くっきりとした美しい画面表示と薄型化を実現できるのがポイントだ。

 また、これまでは難しかった複数のポイントを同時にタッチすることによる認識が可能となった。例えば、画面に表示した地図の拡大・縮小を2本の指で簡単に行うことができ、スキャナー機能では、画面上で名刺などの読み取りも可能となった。この機能をさらに高めていくことにより、将来的には指紋認証などの分野でもこの技術の利用が可能となるとしている。

 シャープは、モバイル機器を中心に様々な方面でこの技術活用が進むと見ており、自社製品のへの搭載のほか、他社にも販売するなどしてこの液晶の汎用性を高めたい考えだ。(2007年9月24日発売「YOMIURI PC」2007年11月号から)

http://www.yomiuri.co.jp/net/frompc/20071025nt14.htm