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2007年10月25日(木) 20時36分

名古屋地検、容疑者を2日間不当勾留 検事を懲戒処分朝日新聞

 名古屋地検は25日、昨年11月に逮捕事実と異なる容疑で勾留(こうりゅう)請求を行い、道路交通法違反容疑で送検された男性を不当に2日間勾留したとして、関与した検事が9月4日付で懲戒処分の戒告、同日までに部長検事が訓告、当時の検事正、次席検事、検察事務官4人が厳重注意や注意処分を受けた、と発表した。

 同地検によると、男性は愛知県内で県警に同法違反の信号無視の容疑で現行犯逮捕され、無免許運転の容疑と併せて送検された。しかし同地検は昨年11月3日、逮捕事実ではない無免許運転の容疑で勾留請求し、裁判官も請求通り勾留状を発付したため、男性を同4日まで不当に勾留したという。

 勾留に先行して逮捕手続きを取ることで二重に審査し、被疑者の人権保障などを図る「逮捕前置主義」の原則に反しており、同地検は不当勾留に気付いた同4日、男性を釈放した。その後は在宅で捜査し不起訴処分(起訴猶予)としたという。

 同地検の津熊寅雄次席検事は「誠に遺憾で、深くおわびします。再発防止のため職員の指導・監督を徹底していきたいと考えています」とコメントしている。

http://www.asahi.com/national/update/1025/NGY200710250005.html