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2007年10月25日(木) 15時03分

内局も正しい数値把握=答弁書案、チェックせず−給油量隠ぺい問題・防衛省時事通信

 海上自衛隊が米補給艦への給油量の誤りを把握しながら隠ぺいしていた問題で、正しい数値が記された書類が防衛庁(当時)内部部局の複数の課にもあったことが25日、分かった。誤った数値に基づく政府の答弁書案は、内局で回覧されており、これらの課がチェックを怠っていた疑いが浮上した。
 防衛省によると、海自補給艦「ときわ」は2003年2月25日、米補給艦「ペコス」に80万ガロンを給油。派遣部隊は給油内容を電報などで海上幕僚監部運用課に報告したが、担当者は別の米艦船への給油量と取り違えて、パソコンの集計表に「20万ガロン」と入力した。
 この集計表に基づき、同年5月8日に統合幕僚会議議長が会見したが、内局防衛政策課はこの日、会見内容に沿って、政府の応答要領を作成。翌日に福田康夫官房長官(当時)が誤った発表をすることになり、石破茂防衛庁長官(同)も同月15日に誤った国会答弁をした。
 同省幹部によると、給油の後、内局の少なくとも2つの課には、海幕から正しい数値が電子メールで送られ、これをプリントアウトした書類が保管されていた。予算編成などを目的にした情報で、補給量のほか、日時、相手の艦船名などが記されている。


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