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2007年10月24日(水) 00時02分

赤福、記号で偽装分類 日付の後に「.」や「—」朝日新聞

 製造日の偽装や消費期限切れの商品の再使用などが明らかになった餅菓子メーカー「赤福」(三重県伊勢市)は、赤福餅の冷解凍の有無や売れ残りを再包装したものかなど商品ごとに違う複雑な工程を、担当者が一目で見分けるための細工を製造日印にしていた。消費者には分からない赤福内部のいわば「暗号」。同社は「日常的な偽装は順次中止していった」としているが、本社工場の工場長は、繁忙期に前もって先の日付を記す「先付け」の目印にしていたことも明らかにした。

赤福の謹製印につけられた記号と意味

 記号は「謹製」と書かれた製造日印にあり、日付の後に「・(ピリオド)」と「−(ハイフン)」を付けていた。この両方があるものは、一度店頭に並んで売れ残った商品を回収して包装し直す「まき直し」をした商品。ハイフンだけのものは、製造日の日付を、前もって翌日以降とした「先付け」のもの。また、消費期限の後にピリオドのあるものは、冷解凍の工程を経たことを意味する。いずれも回収後に、再度まき直しや冷凍する工程に回らないようにしていた。

 新しく作られた商品にはこうした記号はなく、売れ残った後に、まき直しや冷凍できる商品として認識されていた。

 偽装問題発覚当初の12日の会見では、赤福の浜田典保社長らは「記号は製造時間を示す印」とだけ説明。再冷凍を防ぐための記号の存在は認めたが、それぞれの記号にどのような意味があるのかは、22日の会見でようやく明らかにした。

 赤福側は会見で、「まき直し」や「先付け」などの偽装を、10年ほど前から順次やめてきたと説明。そのうえで、森田利博・本社工場長は「(繁忙期などの)特例日には特定の記号を使った」と述べ、今年9月末まで記号を使った偽装を続けていたことを認めた。

 同社は18日の会見で、販売店に商品を配送する際、回収品と店頭に並ばなかった商品が交ざることがあったと説明。一度冷凍したものが再び冷凍工程に回らないよう、これらの記号を利用していたとしていた。

 浜田社長は22日の会見で記号の使用を伴う複雑な偽装について、「調査する中で複雑化した実態が明らかになった。言葉は悪いが現場の判断で無秩序に行われてきた結果と思わざるを得ない」として、自らの関与を否定した。

http://www.asahi.com/national/update/1023/NGY200710230023.html