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2007年10月24日(水) 16時02分

鹿児島市の男児切りつけ:「安心して街歩けぬ」 不安募らせる住民 /鹿児島毎日新聞

 ◇暴追運動関係者に続き
 鹿児島市宇宿の幹線道路・産業道路沿いで23日白昼起きた小学男児への切りつけ事件。市内では19日、暴力団追放運動を展開していた住民団体会長が何者かに刺される事件があったばかり。周辺住民は「安心して街を歩けない」と不安を募らせた。
 男児が通う市立宇宿小(溝口敬校長、498人)では、校長らが対応に追われた。同校へは、男児の母親が午後4時10分ごろ、担任に連絡。PTA会長らが急きょあつまり、学校側と対応を協議した。スポーツ少年団の活動などで学校に残っている児童の保護者に迎えに来るよう連絡。また、注意を促す電話を連絡網で同日中に全校児童宅に回すことを決めた。同校では毎日集団登校し、1〜3年は集団で下校しているが、24日は保護者が付き添う。
 市教委は午後4時半すぎ、学校や警察から相次いで連絡を受け、すぐに近隣の小中学校20(小13・中7)に緊急電話連絡、集団で下校するよう指導。また、市内幼稚園、小中高120校にファクス。保護者への連絡や下校後の外出を控えるように指導した。
 同小周辺は近年、近くの産業道路沿いに大型商業施設が次々と出店し、夜間の人通りが増加。今春ごろに不審者情報があったが、以後は特に無かったという。19日の事件を受け、登下校時は不審者に注意するよう児童に改めて指導していた。
 種子島潔教頭は「市中心部で事件が起きたばかりなのに……」とショックを隠しきれない様子。小4の長男を迎えに来た母親(32)は「恐ろしい。しばらくは子供の送り迎えに来ます」。娘2人が通う別の母親(36)も「子供を一人で学校に行かせられない」と困惑した表情で話していた。
 同小体育館で児童に空手の指導をしていた男性(50)は「夜中も見知らぬ人がうろうろし、治安が悪くなったと感じる。子供たちに繰り返し、気を付けるよう注意するしかない」と厳しい表情で話していた。【福岡静哉、川島紘一】

10月24日朝刊

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071024-00000200-mailo-l46