記事登録
2007年10月23日(火) 00時32分

赤福、消費期限切れ再使用認める 売れ残りの餅・あん朝日新聞

 赤福(三重県伊勢市)の偽装問題で、三重県健康福祉部は22日、同社が売れ残り商品から取り分けて再び赤福餅の原料にしていた「むき餅」「むきあん」に、消費期限が切れたものが含まれていた、と発表した。浜田典保社長(45)は会見で「長年の慣行で商品を再使用していた」と組織的に偽装を続けていた事実を認めて謝罪し、「1月に原則として再使用を中止した」と説明した。

会見中、涙ぐむ森田利博工場長(左端)の隣で厳しい表情を見せる浜田典保社長=22日午後3時45分、三重県伊勢市で

赤福の偽装の流れ

 一方、同社が、再使用を記録した書類を1月に廃棄していた事実も県の調べで判明。県は偽装発覚を恐れて証拠を処分したとみて調べている。

 県は19、20両日に同社に立ち入り検査。同社が店頭で売れ残った赤福餅をあんと餅に分け、再び赤福餅などの原料としていた点について、消費期限が切れたものが含まれていた事実を確認した。

 県の調査に対し、同社役員らは「再使用したあんや餅の中に、消費期限の切れたものがあった」と認めたという。県は「組織ぐるみの違反と考えざるを得ない」と判断。人の健康を害する恐れのある食品を販売したとして、食品衛生法違反の疑いがあるとみている。

 さらに、県は森田利博工場長(49)ら関係者への聞き取りの中で、回収品やむき餅、焼却処分などの数量を示す記録の提出を求めたが、同社は「再使用をやめた1月に書類を廃棄した」と説明したという。県は「意図的に廃棄しており、上層部も知っていた」とみている。

 浜田社長はこの日の会見で「現場のもったいないという意識が長年の慣行となり、日ごとに出荷量が異なる商品コントロールの難しさもあって、再使用を繰り返してきた」と説明した。

 浜田社長は、こうした偽装について「私が指示したことはない」と関与を否定したが、同席した森田工場長は「社長への報告を怠った」としたうえで、「どうしてもお客様に供給しようと……」と言葉を詰まらせた。報告しなかった理由を問われると、「できませんでした」と涙声で答えたが、明確にしなかった。

 浜田社長は自らの進退について「今の段階では信頼回復が最大の責務」とし、辞任しない考えを強調。父親で先代社長の浜田益嗣会長(70)の経営責任についても、「会長とは再建策を相談しており、責任問題の話はしていない」と話した。

http://www.asahi.com/national/update/1023/NGY200710220004.html