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2007年10月23日(火) 01時07分

比内地鶏偽装、薫製の賞味期限も 新たに5商品公表朝日新聞

 秋田県大館市の鶏肉加工販売会社「比内鶏」(藤原誠一社長)が、比内地鶏ではないニワトリを使った商品を比内地鶏と偽装していた問題で、同社幹部は22日、初めての記者会見を開き、同社が設立された85年当初から、鶏肉の薫製について賞味期限も偽装していたことを明らかにした。新たに5商品について、卵や肉に比内地鶏以外のニワトリを使用していたことも認めた。偽装は計12商品となり、同社の製造商品の半数にのぼる。

 会見には石川徹監査役(44)らが出席。冒頭、「大変ご迷惑をかけて申し訳ありません」と立ったまま頭を下げた。藤原社長は行方不明のままで連絡が取れないという。

 同社によると、薫製の賞味期限については、注文が多くなる中元や歳暮の時期に出荷する際、本当は1週間ほど前に製造した製品を、賞味期限を延ばして表記し、出荷当日に製造したように見せかけていた。また、新たに偽装が確認されたのは生卵、卵を使用したうどん、煮卵とセットになったラーメン、つみれ鍋セット、うどんセットの5商品。

 同社は約10年前、「比内鶏薫製」としていた商品を「比内地鶏薫製」と表記を変え偽装するようになって以来、消費者が偽物とわかりにくい加工食品について次々と偽装商品を販売した。一方、内臓やスープ、肉のみそ漬けなど偽物だとわかりやすい商品には本物の比内地鶏を使ったという。薫製は主に県内で、それ以外は首都圏向けに販売したという。

 石川監査役は「同業者との競争が厳しくなるなか、売り上げを伸ばしたいという狙いがあった」と理由を話した。同社は問題発覚後、すべての商品の製造を中止した。

http://www.asahi.com/national/update/1023/TKY200710220367.html