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2007年10月23日(火) 00時00分

花巻の年金施設問題 黙認を釈明…岩手社保事務局読売新聞

「当時は社保庁問題指摘なかったから」

 社会保険庁が建設した「国民年金健康保養センターはなまき」(岩手県花巻市)が、社保庁OBのセンター長(66)の設立した会社に、随意契約で人材派遣を委託するなどしていた問題で、岩手社会保険事務局は22日、1999年から不透明な取引実態を把握しながら改善せず、結果的に黙認していたことを認めた。同事務局は黙認した理由を「当時は、社保庁に対する問題が特に指摘されていなかったから」と釈明、近く特別監査に入る方針を明らかにした。

 特別監査の対象は、センターの運営母体で、県や盛岡、花巻両市が出資する財団法人・岩手県国民年金福祉協会(理事長・大石満雄花巻市長)。

 同事務局によると、センター長は99年10月に人材派遣などを受託する「金矢温泉商事」を設立して間もなく、社保庁から事務を委任されていた県保健福祉部の職員に、会社設立を報告した。同事務局は、2000年から計4回行われた協会に対する定期監査で、「センターの責任者と業務発注先の代表取締役が同一人物なのはまずい」と、口頭や文書で指摘した。

 ところが、センター長は今年6月に同社代表取締役を辞任したものの、後任に同社取締役のセンター副支配人(現支配人)(52)を充て、契約の形態を変えていなかった。

 一方で、センター長が同社から月10万円の役員報酬を得ていたことについて、同事務局は「知らなかった」としている。同事務局は、支配人に同社代表取締役を辞任するよう求めるとともに、同社にも経営実態の開示を要請する。

 同事務局は当初、本紙の取材に「協会から報告を受けていない」としていた。同事務局の藤田東克夫(ときお)局長は「お騒がせして申し訳ない」としている。

http://www.yomiuri.co.jp/iryou/news/kaigo_news/20071023-OYT8T00070.htm?from=goo