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2007年10月23日(火) 00時56分

薬害C型肝炎問題 旧ミドリ十字、被害者に現金を渡し事実上の口封じを図るフジTV

薬害C型肝炎の問題で、旧厚生省は、20年前の薬害肝炎が発覚した時点から被害を把握しながら、事態を放置していた。また旧ミドリ十字が、被害者に現金を渡して、事実上の口封じを図っていたことが、被害者の口から初めて明らかにされた。
20年前、青森県の産婦人科で出産したある女性は、フィブリノゲン製剤を投与されて急性肝炎となり、緊急入院した。
フィブリノゲン製剤を投与された女性は22日、取材に対し「産後の回復が良くなくて、鏡をあらためて見たら、白目とか、それから顔が黄色く、ドス黒く、手のひらも。尿の色も、おかしいなって思ってたんですけど...」と話した。
女性は、入院した先で、同じ産婦人科で製剤を投与された8人が、連続で肝炎を発症していたことを知った。
女性たちは集まって、産婦人科の医師に説明を求めたという。
この女性は「先生も『おかしい。この薬、絶対おかしいよ』って」、「先生がおいでになって、お金の話があったんですね。金額は(1人)100万円ですかね...」などと語った。
その金は、産婦人科医院から直接渡された。
その際、医師から告げられたことについて、女性は「(先生は)ミドリ十字の方からこのお金が出たということには、しないでほしいというお話でした。(理由は?)たぶん、口止め料。(8人連続感染について)他言しないでほしい、そういうことかなと思いましたね」、「もう泣き寝入りするしかないんだなって」と語った。
被害者の女性たちは、肝炎によって体調を崩していたこともあり、以後、被害を訴えることもなく、ひっそりと暮らしてきた。
この問題について、田辺三菱製薬(旧・ミドリ十字)の小峰健嗣副社長は22日、「ミドリ十字が(1987年の青森の集団感染で)見舞金名目でお金を渡したと、被害者が証言しているが?」との質問に対し、「当時のことにつきまして、詳細を今、認識できておりませんので、また調べまして、ご返事させていただきます」と述べた。
ある産婦人科医師による1987年当時のメモには、ミドリ十字と厚生省に対して、再三にわたり、フィブリノゲン製剤による急性肝炎を警告していたことが記されていた。
フィブリノゲン製剤を投与された女性は「先生は、厚生省の方に、何度も連絡を取っているんだと。それで、何の連絡、返事もないんです。わたしはどうしたらいいのかって...」と話した。
しかし、厚生省の担当官僚と、厚生省から天下りしたミドリ十字の東京支社長は、裏で「理論武装の用意が必要」、「原因究明、予知は無理との文献はないか」といった打ち合わせをしていた。
2002年の取材時、当時の担当官僚だった厚生省・副作用情報室長は「当時のことは覚えていないんですか?」との質問に対し、当時の対応について記憶にないと主張していた。
結局、1987年から被害者の情報は国と企業に届いていたが、くわしい調査もせずに、20年間放置されてきた。
フィブリノゲン製剤を投与された女性は「遅すぎますよね、遅すぎます。もっともっと早く、この20年間にどれだけの人が亡くなったかと思うと、すごく悔しい、つらいですね」と話した。
highlow highlow 2007/10/23 00:56

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