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2007年10月22日(月) 14時30分

ママ心配 うそ「子供被害情報」チェーンメール広がる産経新聞

 「大型スーパーで幼児への暴力事件が発生」などと事実無根の犯罪情報を記したチェーンメールが、母親らの間で急速に広がっている。「友達のママに回してください」と携帯メールで転送させる手口で、兵庫県加古川市で起きた女児殺傷事件など児童の安全が脅かされる中、不安をあおる悪質ないたずら。街頭犯罪の発生を携帯メールに速報するシステムは全国の警察で普及しており、デマのメールが広がれば情報の信頼性が損なわれる恐れもある。大阪府警などはホームページ(HP)を通じて注意を呼びかけている。
 府警によると、チェーンメールは「大型スーパーで幼児をトイレに連れ込んで、イタズラする事件が相次いでいるとのこと。しかも、口には粘着テープをされて…。ママとは別のトイレに入って、先に1人で出てきたときに狙われた」という内容。「知っていたほうがいい話だから友達に送って、みんなで子供を守ろう!」と訴え、知人らへの転送を呼びかけているという。
 チェーンメールは先月中旬以降、神奈川県内に実在の店舗名を記した虚偽の犯罪発生情報がメールで広まり、全国に拡大。発信元は特定されていないが、府内では平野区や阿倍野区、高槻市などで同様のメールが流れ、保護者らから府警に問い合わせが相次いだ。
 この神奈川県内のスーパーを管轄する神奈川県警相模原北署は、メールの内容についてHP上で「事実無根」と紹介。同種のチェーンメールなどはリンク先がワンクリック詐欺の可能性もあり、注意喚起している。
 転送が繰り返されるうちにメールも変化し、最近では「事実、友達が日曜に○○店1階で、どこかのママが泣きながら、(被害に遭った)男の子を抱きかかえて裏口に入っていくのを見た」などと情報がエスカレートしているという。
 府警が導入している防犯情報の速報システム「安まちメール」の場合、約18万6700人の登録者のうち、職種別では主婦が約6万5000人で最多。年代では30代が50・9%を占めている。こうした速報システムは、全国40都道府県の警察で運用されており、それぞれ幼い子供を持つ母親の加入が目立つという。
 府警幹部は「うそのメールとはいえ、実際にあってもおかしくない程度の信憑(しんぴよう)性がある。不審者情報に敏感な母親なら事実と信じ込んで一気に広がってしまう」と分析。「不安に思っても事実確認をして、転送しないように」と呼びかけている。

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