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2007年10月22日(月) 18時42分

薬害C型肝炎患者リスト放置問題 薬害訴訟原告団「なくさずにすんだ命もあった...」フジTV

薬害C型肝炎患者418人分のリストのうち、多くの個人が特定できる資料が存在していたことが明らかになり、22日午後、薬害訴訟の原告団が涙で訴えた。
薬害C型肝炎で国と製薬メーカーを訴える原告団は午後4時すぎ、「彼女たち、彼らが、きちんとした治療を受けているかが心配です。適切な治療を受けないで、肝硬変、肝ガンに移行してないか、心配でたまりません」と涙で訴えた。
舛添厚労相は21日夜、厚労省によるC型肝炎発症者リストの放置問題について、「極めて残念というか、『何やってんのかな?』という感じはしますね」、「徹夜態勢でやらせたうえ、あした(22日)午前中にまとめて公表する」と語気を強めて語っていた。
厚労省が2002年に、製薬会社から受け取った資料の中に、C型肝炎の感染者の実名が書かれたものが含まれていたにもかかわらず、それを放置していたことが発覚した。
こうした省の対応に、舛添厚労相は「徹夜してでも対処せよ」と一喝した。
そして、厚労省は22日午前に会見を開き、担当者は「わたしを含め、担当者がマスキング(黒塗り)のない資料が、地下の倉庫にあることを掌握していなかった」、「(黒塗りしてない資料を出すよう求めた?)それは、その通りでございます。(求めて入手していたことを忘れていた?)その通りでございます」と報告し、役所側のミスを認めた。
今回、新たに見つかったリストは、氏名欄に実名が書かれ、中には「清水市(現・静岡市)」以降の住所も細かく記載されていたものもあった。
厚労省はリストに載っていた418人のうち、個人の特定につながる実名が書かれたものが2件、イニシャルが116件あったと発表した。
しかし、22日に舛添厚労相に事情を説明した製薬会社「田辺三菱製薬」の社長らは、「418人中、197人の実名を把握している」と報告した。
舛添厚労相は「わたしも、この乖離(かいり)の大きいのは、数字をもらって驚いている。そういう意味では、共有してなかったということ」と述べた。
田辺三菱製薬の小峰健嗣副社長は「(資料に)個人情報が入っていないものが通例。20年前の資料を探した結果、一部の資料において、個人情報の入っているものもあった」と語った。
感染者の氏名を把握しながら、告知しなかった製薬会社と国。
さらに、薬害C型肝炎訴訟で国が血液製剤の投与を否定していた原告2人の情報も、リストに含まれていることが新たに発覚し、今後の裁判に影響を与えるとみられる。
こうした状況を受け、薬害C型肝炎訴訟原告団の1人は「治療する機会を奪われて、命も脅かすっていう状況で許せない」と語った。
午後4時に会見を開いた原告団は「公表していたら、きっとなくさずにすんだ命もあったのではないか」、「事務連絡のような感じで、わたしたちに報告していたのが、本当に許せない。命より大切なものって何だろうって」などと訴えた。
また、薬害肝炎原告代表の山口 美智子さんは「自分たちの仕事をまったくしてこなかった。これは、不作為どころか悪意としか思えません」と話した。
舛添厚労相はこの問題について、当時の担当者の責任の有無について調査チームを立ち上げることを決め、1カ月をめどに取りまとめる方針。
舛添厚労相は「検証して、国の責任があれば、それはきちんと対応する。今はとにかく、このリストの問題を中心にやっていくということで。そこからどういう波及効果があるかは、今からやってみないとわからない」と述べた。
highlow highlow 2007/10/22 18:42

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