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2007年10月21日(日) 23時22分

逮捕の大阪狭山市元職員、療養費詐取1億円超か産経新聞

 大阪府大阪狭山市の元職員が国民健康保険の高額療養費の給付金をだまし取った事件で、詐欺容疑で逮捕された市保険年金グループの元主査、白馬良嗣容疑者(40)=19日付で懲戒免職=が詐取した総額が、1億円以上にのぼる疑いがあることが21日、分かった。大阪地検特捜部は別の職員らからも事情聴取を進め、公金詐取の全容解明に向けて捜査を進めており、週明けにも別の詐欺容疑で白馬容疑者を再逮捕する方針。
 調べや市の調査などによると、白馬容疑者は平成9年4月から、同グループ前身の保険年金課に勤務し、通算約7年間、高額療養費の給付申請などを担当。課長の印鑑を無断で使用し、14〜17年に、高額医療費を支払った国保加入者に一部を払い戻す高額療養費制度を悪用して約2000万円を詐取したほか、別の患者名義で虚偽申請を行ったり、課長名義の口座から療養費着服をするなどの不正行為を繰り返したとみられている。
 白馬容疑者は詐取した金で数年前に自宅を新築したほか、株に投資し、高級外車の購入費にもあてていたほか、預金通帳には約4000万円の残高があり、特捜部は被害総額は1億円を超えるとみている。
 市幹部の1人は、不正が長年にわたった理由として、白馬容疑者の上司にあたる保険年金グループ課長が短期間で交代を重ねていたことを指摘。ここ数年では就任後わずか2日や1カ月で退職した例もあり、市幹部は「歴代課長は白馬容疑者のようなベテランに職務を丸投げし、チェックを怠った側面もあった」と述べた。
 白馬容疑者は知人の柔道整復師、田口謙容疑者(38)=詐欺容疑で逮捕=と共謀。高額療養費制度を悪用し、平成17年4月に田口容疑者名義で虚偽申請して市から約60万円をだまし取った疑いで逮捕されている。

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