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2007年10月21日(日) 03時10分

<赤福>1月に違法性認識 不二家公表時に「むきあん」終了毎日新聞

 老舗和菓子メーカー「赤福」(三重県伊勢市)の消費期限偽装問題で、赤福が回収商品を分離して作る「むきあん」の販売を終えたのは、不二家(東京都)が消費期限切れの牛乳使用を公表(1月11日)したのと同じ日だったことが、農水省や三重県の調査で分かった。同社は工程上の理由で中止したと説明しているが、県などはこの時点で赤福が食品衛生法に触れる可能性を認識していたとみて調べている。

 赤福によると、売れ残った商品を「むきあん」と「むきもち」に分離する作業は日常的に行っており、むきあんのうち約50%(月6〜3トン)をグループ会社の「和菓子の万寿や」(伊勢市)に販売していた。始めた時期ははっきりしないが、00年5月まではさかのぼって確認できたという。

 赤福の浜田典保社長は18日の記者会見で、分離作業をやめた理由について「作業工程見直しの一環」などと説明した。しかし不二家の不祥事に敏感に反応し、1月11日を最後に販売をやめ、その2日後には分離作業自体を中止している。

 不二家問題を受け厚生労働省は1月31日、都道府県や保健所設置市の首長あてに「広域流通食品の製造に係る衛生管理の徹底について」と題する通達を出し、消費期限切れの原料を使用しないよう業者を指導するよう求めた。赤福の動きは、これを先取りした形だ。

 浜田社長は18日の会見で、返品された赤福餅をむきあん、むきもちに分離し、販売・再使用してことを明かす一方、「消費期限切れの赤福餅は使っていない」と、食品衛生法上の違法性は事実上否定している。だが、赤福の対応は極めて不自然で、県などは作業取りやめの経緯についても詳しく調べる。【飯田和樹】

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071021-00000019-mai-soci