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2007年10月21日(日) 03時05分

<牛ミンチ偽装>「ミートホープ」元社長ら4人逮捕へ 道警毎日新聞

 苫小牧市の食肉加工卸会社「ミートホープ」(自己破産手続き中)による偽装牛ミンチ事件で、道警生活環境課と苫小牧署は、田中稔・元社長(69)と元工場長ら3人の計4人について、豚肉などを混入して「牛ミンチ」と偽って出荷した疑いが強まったとして、週内にも不正競争防止法違反(虚偽表示)容疑で逮捕する方針を固めた。道警は田中元社長らが取引先をだまして不正な利益を上げていたとみて、詐欺容疑でも追及する。

 道警は問題が発覚した直後の6月下旬、ミート社工場や、同社から冷凍コロッケの原料として牛ミンチを仕入れていた「北海道加ト吉」(赤平市)などを家宅捜索し製品を押収。DNA鑑定の結果、豚や鶏肉の混入が裏付けられた。さらに押収資料の分析などから、悪質な偽装が長期にわたって行われていたと判断した。田中元社長らは任意の事情聴取に対し、容疑を認めているという。

 これまでの調べでは、ミート社は北海道加ト吉など取引業者十数社に対し、豚肉などを混入した偽装牛ミンチを「牛100%」と表示して出荷した。農林水産省によると、偽装は98年ごろから始まった。昨年7月から発覚までの販売量は計417トンに上り、販売・流通業者を通じてコロッケなどに加工、全国に販売された。

 田中元社長は記者会見などで「コストが安くなるので(工場長に)混入を指示した」と組織的に偽装を繰り返していたことを認めた。ミート社はパートも含む全従業員71人を解雇し、7月に総額約6億7000万円の負債を抱えて自己破産申請。田中元社長も8月に自己破産し、それぞれ破産手続きが行われている。

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