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2007年10月21日(日) 13時03分

講演:知的障害者の多くが福祉とつながっていない 山本譲司さん、野洲で /滋賀毎日新聞

 ◇「刑務所に“保護”されているのが現状」
 社会に居場所がなく、犯罪を犯して刑務所に収容される障害者を描いたノンフィクション「累犯障害者」(新潮社)の著者、山本譲司さん(45)が20日、野洲市小篠原の「コミュニティーセンターやす」で講演した。【森田真潮】
 山本さんは元衆院議員。自ら秘書給与流用事件で服役し、障害を持つ服役囚と接した経験を踏まえ、社会復帰につながる刑務所処遇の必要性や、障害者福祉施策の改善などを訴えている。同市北桜の重症心身障害児(者)施設「びわこ学園医療福祉センター野洲」が公開講座の一環で招き、県精神保健福祉士会、同市障害者関係団体連絡協議会と共催した。
 講演で山本さんは、「福祉のネット(網)にかからなかった知的障害者たちが、犯罪を犯して刑務所に“保護”されているのが現状」と指摘。出所後も暴力団組織の“鉄砲玉”や売春、偽装結婚などに利用されるという実態があると紹介した。
 そのうえで「知的障害者の多くが福祉とつながっていない。出所後にも行き場が無い」との問題を指摘。福祉関係者が保護司になるなど、受刑中からかかわりを持つことを提案した。

10月21日朝刊

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071021-00000233-mailo-l25