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2007年10月20日(土) 23時31分

10年前から偽装比内地鶏販売スポーツ報知

 秋田県は20日、同県大館市の食肉加工製造会社「比内鶏(ひないどり)」(藤原誠一社長)が、地元の「比内地鶏」と偽り、別の鶏肉や卵を薫製にした商品を出荷していたと発表した。同社はすでに製造を中止し、商品回収を始めた。

 県が同日行った聞き取り調査に対し、藤原社長は「約10年前には既に別の肉を使っていた」と偽装を認めた。商品の不当表示は景品表示法や日本農林規格(JAS)法違反の疑いがあるため、県は今後、同社の鶏肉の仕入れ先など全容解明を進める方針。

 県によると、同社は薫製商品に「比内地鶏くんせい」と表示していたが、国産の数種の鶏肉だけで、比内地鶏は全く使っていなかった。同社は生肉などは比内地鶏を使っていたと説明しているという。同社の年商は3億数千万円。

 15日に「(同社は)比内地鶏と偽って別の肉を使っている」との匿名の電話を受けた大館保健所が16日、食品衛生法に基づいて立ち入り調査し、偽装の疑いが浮上した。

 国内の地鶏では、愛知県特産の名古屋コーチンをめぐり、販売されている製品の約二割にコーチン以外が含まれている可能性が今月、調査で指摘されている。

 比内地鶏は名古屋コーチン、薩摩地鶏と並ぶ日本三大美味鶏の一つとされる。天然記念物の比内鶏とロードアイランドレッドを交配して誕生しており、きりたんぽ鍋にも欠かせない食材。

http://hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20071020-OHT1T00250.htm