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2007年10月20日(土) 19時24分

赤福会長、会頭職退任へ 伊勢商工会議所が方針朝日新聞

 三重県伊勢市の餅菓子製造会社「赤福」が店頭で売れ残った商品を再使用していた問題にからみ、同社会長の浜田益嗣氏(70)が会頭を務める伊勢商工会議所は、22日に開く臨時総会で、会頭職を含めた役員を改選する方針を固めた。複数の役員は、朝日新聞の取材に対し、浜田氏本人の意向は確認していないとしながらも、今月31日の任期切れを待たずに会頭交代が避けられない情勢になった、としている。

 商議所会頭の任期は3年。同市の伊勢神宮では20年に1度、神宮の社殿や神宝をすべて新しくする式年遷宮が2013年に控えている。会頭職は、遷宮行事でも代表を務める「市民の顔」的な存在で、浜田氏は今回の問題が発覚するまで続投に意欲を見せていた。

 浜田氏は68年に赤福の10代目社長に就任。05年に長男典保氏に代替わりするまで37年間務めた。同社が製造日や消費期限を書き換えて再出荷する「まき直し」を始めたとされる73年当時、経営責任者だった。

 浜田氏は、同市の伊勢神宮内宮前に江戸時代の町並みを再現した「おかげ横丁」を建設。年間で観光客350万人集め、国土交通省の「観光カリスマ」に選ばれた。また、「おかげ横丁」の功績から、最近では各地で講演活動に招かれることも多かった。

 同商議所会頭には95年に就任した。まちづくりに発言力が強く、JR参宮線廃止を唱えるなど、地元経済だけでなく、市政にも強い影響力を持っていた。

http://www.asahi.com/national/update/1020/NGY200710200003.html