餅菓子の老舗（しにせ）「赤福」（三重県伊勢市）の製造日の偽装問題で、０４年７月と８月、店頭から持ち帰った商品を再包装していると指摘する情報を受けた大阪市が、同社の大阪工場（大阪市淀川区）を調査していたことが２０日、分かった。大阪市は「情報提供者の要望を尊重した結果、踏み込んだ調査ができず、偽装の事実は確認できなかった」としている。
大阪市健康福祉局によると、０４年７月、匿名の人物から、「赤福が大阪工場で商品のリパック（再包装）をしている」という情報が保健所に寄せられた。ただし、情報提供の条件として、大阪工場にリパックの有無を直接尋ねないことや、三重県に情報を伝えないことなどを強く念押しされたという。
このため大阪市は、特定目的ではなく平常の調査の形をとり、同年７月と８月の計２回にわたって同工場を調査したが、偽装の事実は確認できなかったとしている。同市は情報提供者の意向を受け、通報の内容を三重県にも伝えなかったという。
この問題について、赤福本社は朝日新聞の取材に対し、「事実関係がはっきりしたら、しかるべき時期に報告したい」としている。