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2007年10月20日(土) 09時53分

赤福、再出荷時に翌日の刻印 偽装が常態化朝日新聞

 餅菓子の老舗(しにせ)「赤福」(三重県伊勢市)の製造日の偽装問題で、同社が冷凍に回した売れ残りや未出荷の商品を解凍して再出荷する際、出荷前日にあらかじめ翌日の日付を製造日として刻印していたことが19日、農林水産省の立ち入り検査でわかった。社内ではこれを「先付け」と呼び、本社工場のほか名古屋、大阪の両工場でも在庫調整のために実施、全社的に常態化していたという。

 同省によると、当初の調べに対して赤福は、冷凍した商品を解凍、再包装して出荷する「まき直し」について、「解凍に時間がかかるため、出荷前日に解凍することはあったが、日付の変わる午前0時まで待って包装していた」と説明していた。しかし、売れ残り商品の再利用が新たに発覚したことを受けて同省が19日に再度、立ち入り検査したところ、「解凍した日のうちに翌日の日付を刻印して再包装を終えていた」と説明を一転させたという。

 「先付け」は注文状況に応じて日常化し、翌日の日付を刻印された商品は、本社工場では翌日未明に出荷される第1便として、主に大阪、名古屋方面へ配送され、店頭に並べられていたという。

 また、同社は当初、「まき直し」をしていたのは本社工場と大阪工場だけで、名古屋工場では「大型冷凍庫はあるが現在は使用していない」と説明していたが、19日の立ち入り検査では、名古屋工場でも「まき直し」を実施していたことを認めたという。

http://www.asahi.com/national/update/1020/TKY200710190464.html