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2007年10月20日(土) 03時04分

<守屋前防衛次官>山田洋行、5年間で190億円受注毎日新聞

 防衛省の守屋武昌・前事務次官(63)が自衛隊員倫理規程に反して業者とゴルフをしていた問題で、疑惑の指摘されている05年度までの5年間に、防衛専門商社「山田洋行」(東京都港区)が計142件、総額190億円の同省発注業務を受注していたことが分かった。受注業者とのゴルフを禁じた倫理規程は、前次官が防衛庁(当時)の筆頭部局トップである官房長を務めていた00年に施行されており、当時の職員からも「信じられない」と批判の声が上がっている。

 防衛省によると、同省地方機関発注分を除く山田洋行の受注額は01〜05年度、毎年約25億〜50億円。商社やメーカーなど同省の全受注業者のうち、03年度を除き上位40位前後(受注額ベース)に食い込んでいた。上位20社は大手メーカーと大手総合商社が占めており、専門商社の中では常にトップクラスだ。

 高額受注を支えてきたのは、米国の大手エンジンメーカーとの販売代理店契約。中でもF16をベースに改良された戦闘機「F2支援戦闘機」のエンジン関連部品や、中型輸送機C1の後継「次期輸送機(CX)」のエンジンに関する契約が受注額を押し上げてきた。

 部品やエンジンについては、同省がメーカーから買う。この際、山田洋行は輸入手続きを代行したり、欠陥品で損害が発生した際、メーカーに代わって補てんするなどの内容の契約を同省と交わし、F2関連で毎年度約2億〜6億円、CXエンジン関連で04年度約26億円(エンジン3基)、05年度約13億円(同2基)を随意契約で受注してきた。

 ところが、前次官とゴルフを繰り返した元専務(69)が昨年、山田洋行を辞め、別の専門商社「日本ミライズ」を設立すると、同メーカーは代理店を日本ミライズに移した。このため、CXの07年度発注分(同1基)は日本ミライズが受注する見通しだったが、問題の発覚で白紙に戻る可能性もある。

 山田洋行のように、国と契約を締結している事業者は「利害関係者」と呼ばれ、前次官が官房長だった00年4月、利害関係者とのゴルフを禁じた倫理規程が施行された。にもかかわらず、前次官は官房長時代だけでなく、防衛局長、事務次官当時も元専務とのゴルフを続けており、元航空自衛隊幹部は「規程を守らせる立場なのに、自ら規程を破るとは考えられない」と批判した。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071020-00000022-mai-pol