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2007年10月20日(土) 10時00分

福田政権ゴマカシ底なし!また流用疑惑日刊ゲンダイ

 17日にも閣議決定される新テロ法案だが、法案成立は絶望的だ。「ねじれ国会」に加えて、新たな流用疑惑が浮上したのだ。次々と明らかになる新事実。政府のウソ、ゴマカシ……は底なしだ。

 流用の疑いがもたれているのは、海自の補給艦「ましゅう」の給油活動。昨年9月4日に米海軍の強襲揚陸艦「イオージマ」に給油したことが、米海軍のホームページにバッチリ、記載されていた。
 HPにはイオージマの航海日誌が載っていて、それによると、ましゅうから給油を受けた直後の昨年9月15日、〈現在はペルシャ湾で海上保安活動とイラクの自由作戦に従事〉とある。明らかに対テロ戦以外で海自の油が使われていたのだ。
 疑惑を指摘した江田憲司衆院議員(無所属)は「新たな流用疑惑になりうる。政府の詭弁はもう通じない」と話していた。
 国会では、米空母「キティホーク」が海自の燃料でイラク作戦に参加した疑惑が浮上。米イージス駆逐艦「ポール・ハミルトン」も同様の流用疑惑が指摘され、野党が追及しているが、政府は「転用はない」との強弁を繰り返している。
 きのうも参院予算委で野党から流用疑惑を追及されると、福田首相は「見解の相違じゃないですか」「いくら議論したって、(給油継続に)賛成とは言わないんでしょ」と居直る始末。防衛省が給油活動に従事した補給艦の航海日誌を破棄していたことも判明した。
 給油活動で使われた調達費は06年度までに総額340億円。もちろん国民の税金だが、政府は燃料の調達先はおろか、防衛省と随意契約を交わした企業名すら明かそうとしない。
「企業の正当な利益を害し、自衛隊活動の円滑な遂行を妨げる恐れがある」(海上幕僚監部広報室)との理由だが、驚くべき隠蔽体質だ。
 週刊誌は契約した日本企業の油の調達先はライス米国務長官が役員に名を連ねた会社の製油所(バーレーン)ではないか、と書いていたが、真相はヤブの中。
 これでは新テロ法案は百パーセント通らない。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071020-00000012-gen-ent