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2007年10月19日(金) 10時16分

赤福、不正を認識? 不二家問題発覚直後に偽装を中止産経新聞

 店頭で売れ残った「赤福餅(もち)」の再利用が新たに発覚した老舗和菓子店、赤福(三重県伊勢市)が冷解凍による製造日偽装や売れ残りの再利用の大半を、今年1月下旬に中止していたと農水省に報告していることが19日、分かった。大手菓子メーカー、不二家の期限切れ原料使用が明らかになった直後で、同社は会見で関係を否定しているが、自社の不正を十分に認識していたとみられる。
 三重県伊勢保健所は19日午前、赤福に対し、無期限の営業禁止処分を通達した。農水省も同日、本社工場と再生餡(あん)の卸し先、名古屋工場(名古屋市中川区)、大阪工場(大阪市淀川区)の4カ所に、各保健所と合同で、JAS(日本農林規格)法と食品衛生法に基づく立ち入り検査に入る。
 農水省によると、同社は当初、製造後に出荷ヤードにある商品を冷凍▽配送車で出荷した後に余った商品を持ち帰り冷凍していたことを認めていたが、18日夜に提出した文書で、店頭に売れ残った商品を回収して再出荷のため冷凍したり、餅を分離した餡を再利用していたことなども認めた。
 農水省の質問に対し、同社が回答した書類によると、店頭売れ残りや配送車内の商品の冷凍は1月26日、餡の再利用は1月13日をそれぞれ最後に中止したと釈明。その後、冷解凍による再出荷は出荷ヤード内の商品だけにとどめていたという。
 赤福の浜田典保社長は18日夜の会見で、1月上旬から報道が相次いだ不二家問題と自社の偽装・再利用中止との関係について否定したが、餡の再利用の中止は不二家問題発覚の数日後で、同社が不正を認識していた可能性をうかがわせている。
 また、同社が売れ残りを再利用した餡を卸していた「和菓子の万寿や」は、浜田社長の弟が社長を務めており、グループ全体の責任に発展するのは避けられない状況になっている。

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