記事登録
2007年10月18日(木) 15時09分

<名誉棄損>文庫本販売差し止め棄却 女性殺害事件の受刑者毎日新聞

 北海道恵庭市の同僚女性殺害事件(00年)で懲役16年が確定した大越美奈子受刑者が、月刊誌「新潮45」や新潮文庫の記述で名誉を傷付けられたとして、発行元の新潮社と編集人らに賠償などを求めた訴訟で、東京高裁(吉戒修一裁判長)は18日、1審・東京地裁判決(今年1月)が認めた文庫本の販売差し止め請求を棄却した。賠償額も1審の220万円から110万円に減額した。

 問題となったのは同誌02年2月号の記事と、記事を再録して出版された文庫本。大越受刑者の元同僚の話として、社内で起きた窃盗や放火が大越受刑者の仕業であるかのように報じた。

 吉戒裁判長は「客観的根拠がない」と名誉棄損を認定したが、「記事の分量はわずかな上、時間が経過し、相当数の増刷の見込みは認められない」として販売差し止め請求は退け、賠償額も減らした。【北村和巳】

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071018-00000076-mai-soci