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2007年10月17日(水) 11時26分

<PCI>不正経理の疑い 東京地検特捜部が関連会社捜索毎日新聞

 大手コンサルタント会社「パシフィックコンサルタンツインターナショナル」(PCI、東京都多摩市)の元幹部らが、海外事業を巡って多額の資金を不正に引き出した疑いが強まったとして、東京地検特捜部は17日、特別背任容疑で、PCIのグループ会社などの家宅捜索に乗り出した。特捜部は今後、押収資料の分析や関係者からの事情聴取などを通じ、不透明な資金の流れの解明を進める。

 捜索を受けているのは、グループ会社の「遺棄化学兵器処理機構」(東京都港区)など。

 関係者によると、同機構は、旧日本軍が中国に遺棄した化学兵器処理の調査事業を政府から受注し、04〜05年度に受注業務の一部をPCIに委託した。PCIはこの業務を別のグループ会社「パシフィックプログラムマネージメント」(PPM、千代田区)に再委託し、さらに複数の会社に下請けに出されたが、この過程で約1億円が使途不明になっているという。

 PCIの元社長(71)は当時、PPMの社長も務めており、特捜部は、PCIの元社長らが事業費の一部を引き出し、同社に損害を与えた疑いがあるとみている模様だ。今後、グループ会社を含め、資金流用の全容解明を目指す。

 同機構が政府から受注した処理業務の契約金額は、04年度約79億円、05年度約88億円に上っている。

 PCIは、約20社で構成する建設コンサルタントグループの中核会社の一つ。PCIを巡っては、国際協力機構(JICA)が発注する政府開発援助(ODA)事業でも不正経理が問題になった。会計検査院は昨年、PCIが偽造した契約書や領収書をJICAに提出して不正請求を行い、別に1億円余が使途不明になっていると指摘。03年までコスタリカなどで実施されたODA関連事業でも使途不明金が発覚し、JICAに4854万円を返還した。

 PCI総務部は「現段階では疑惑に関する質問には答えられない。後ほど文書で回答する」としている。

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